【GlaxoSmithKline/”Breath of Life”】McCann Shanghai(2019年)

WeChatのメッセージングサービス上に表示される革新的なアプリ広告「Breath of Life」は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)※1を患っているかどうかを検出出来るアプリだ。COPDの症状として息切れが挙げられるが、しばしば老化による自然な行為だと勘違いしてしまうことが多い。本アプリは電話のマイク部分に向かって息を吹きかけて音波を発生させることによってアルゴリズムが働き、肺の容積結果が表示されるという仕組み。結果が70%未満の場合は、病院での検査が推奨される。

 

McCann Shanghaiによると、中国では1億人を超える成人がCOPDの影響を受けているにも関わらず正式に診断されているのは7%未満。審査員代表兼 TBWA\WorldHealthのグローバルプレジデントであるRobin Shapiro氏は、審査員たちはこのアプリが中国にしか存在しないため幾つかのテスト作業を行い、実際に正確に機能しているかを入念に確認したと述べた。

本アプリの活用を促進するために、伝統的な中国美術を用いて木や花をブローペイントするアイデアを採用した。ユーザーが携帯電話に息を吹き込むと、アプリは一筆書きの木や花を描き、その模様が大きく明確な程ユーザーの肺の容積は大きい事を表す。従来のありきたりなキャンペーンを求めない審査員にとって本アプリのような体験に価値を置いた型にはまらない点も評価された。

 

※1 COPDは、別名慢性閉塞性肺疾患。喫煙習慣によるタバコ煙を主とする有害物質の長期的吸入などによって生じる肺の炎症性疾患であり、中高年の生活習慣病の内の一つ。