【KFC各国/ – 】KFC(2019年他)

KFCが既に確立しているブランド・商品力を活かしながら、トレンドに敏感でストリートカルチャーや流行の音楽に精通する層の若者向けプロモーションが各国で活発に行われている。

 

<KFCロシア>

KFCロシアは、同ブランドのアイコニック商品でもあるバケットチキンとかけて、ロシアのストリートウェアブランド「Mam Cupy」とコラボしバケットハットを発売した。

※1 COPDは、別名慢性閉塞性肺疾患。喫煙習慣によるタバコ煙を主とする有害物質の長期的吸入などによって生じる肺の炎症性疾患であり、中高年の生活習慣病の内の一つ。

バケットハットは90年代にストリートの若者に流行したファッションアイテムでその名の通りバケツをひっくり返したようなデザインのハットだ。Mam Cupyロゴやカーネルおじさんのアイコンは逆さまにひっくり返した刺繍で入り、90年代のテイストを感じさせるレトロなデザインを採用した。おもしろおかしくイケてると捉えるか脂まみれなチキンバケットを被っていると捉えるかはあなた次第というところだ。

 <KFCフランス>
1783人のフォロワーを抱えるKFCフランスSportify公式プレイリスト「Bucket Bungers」がヒップホップファンを中心に話題だ。

「KFC」というワードに言及した歌詞の曲のみを集めた総勢43曲のプレイリストには、カニエ・ウエスト、ドレイク、ケンドリック・ラマー、Run-D.M.C.他ヒップホップファンなら外せないラインナップに加えて、マドンナ、ビースティー・ボーイズ、X-MENなど名だたるポップソングアーティストが連なる。KFCがストリートカルチャーや一流ミュージシャンにとっても身近で密接な存在であることが伺える。ユニークかつ個人の趣向に直接的にアプローチをかけた良例で、今後Sportifyのプレイリストでブランディングを行う企業も増えるであろう。

 <KFC中国>
KFC中国においては、韓国風の出で立ちで若者から莫大な人気を誇るポップミュージックグループTFBOYSとコラボしKFCオリジナルレーベル「Unlimited K」をプロモーションしている。

「Unlimited K」は、同社からファッション性のある製品を扱うブランドとしてラウンチされ、「ファッションバーガー」を称するシュリンプバーガー、オージービーフバーガーといった食事メニューの他、Tシャツ、ベースボール・キャップ、ウエストバックなどファッション雑貨を同時発売した。中国において約5,000以上の店舗を構え、お粥、エッグタルト、しょうゆ味の手羽先などオリジナルメニューを充実させ、それらは元祖アメリカのものよりも美味しいという声も少なくない。同国のトップファーストチェーン店のKFCによる、流行に敏感な若者層へのブランディング強化とも言える。